いまや、タクシーの営業スタイルはすっかり変わりました。
配車アプリを開けば、お客様が自動でやってきて、
ルートはナビ任せ、決済はキャッシュレス。

そんな“便利な時代”になった一方で、
アナログ時代に“稼ぐ”と言われていたドライバーたちは、何を大切にしていたのか？

今回は、いまだからこそ知っておきたい、
**「昔の売れっ子ドライバーが守っていた5つの掟」**をひもときます。

便利な時代の中でも、変わらない本質があると、改めて気づかされる内容です。

昔の稼げるドライバーは、
朝イチの出庫時間を徹底的に大事にしていました。

「朝5時に出庫して、7時までにどれだけ乗せるか」
この2時間が、その日の流れを決めるゴールデンタイムだったのです。

この時間帯は、
• 通勤客・始発駅利用者
• 病院の早朝受付に向かう高齢者
• 夜勤明けのビジネスパーソン

など、“ルーティン移動の乗客”が多く、安定した需要と比較的高単価の走りができるのが特徴。

しかもライバルが少ないため、回転率も高く、
「この2時間で1万円超えが狙える」
という黄金法則がありました。

朝が弱い人にとってはツラいかもしれませんが、
**“一日を制する者は、朝を制す”**──
これは、今でも変わらない掟のひとつです。

いまはGOアプリやUberで「どこで需要が多いか」が見える時代ですが、
昔は地図やスマホにはない、“自分だけのエリア感覚”を持っている人が強かった。

たとえば──
• ○○区役所前は14時台が混みやすい
• △△公園沿いは土曜15時になると送迎需要が集中する
• ○○病院前は午前中は外来帰り、午後は見舞い帰りが多い

こんな“動きのパターン”を身体で覚えて、読みながら走る技術こそが、
稼げる運転手とそうでない人の差でした。

今で言う“ビッグデータ”を、自分の目と足で積み重ねていたようなものです。

「アプリは使ってないけど、今日も4万超えた」
そんなベテランがいたのは、
地図に載らない“経験知”という資産を持っていたからです。

昔のタクシー運転士にとって、ドアを閉める瞬間が“営業終了”ではありませんでした。

ドアが閉まってからも──
• 安全確認をして、しっかり見送る
• 雨なら傘を差しかけて降ろす
• 高齢者なら、建物入口まで付き添う

そうした「送ったあとの一手間」が、“またこの人に乗りたい”につながるとされていたのです。

中には、

「降りたあとに忘れ物を取りに戻ってきたお客様に“あの人でよかった”と思われるように」
という気持ちで接客していたという話も。

ドアサービスがオート化され、無言で降りていくお客様も増えた今だからこそ、
“送り届ける”の先まで気にする心配りは、大きな差別化になります。

いまは、配車アプリ、AIナビ、キャッシュレス決済など、
タクシー業界もすっかり“デジタル全盛”の時代です。

でも──
「稼げる人」がやっていることは、案外昔と変わっていません。

昔の運転士が守っていた5つの掟（まとめ）
1. 朝の30分を制す者が、その日を制す
2. 地図にない“感覚エリア”を持っている
3. 客が降りたあとが、むしろ勝負
4. 手が空いたら、必ず車を拭いて気持ちを切り替える
5. 「話す」より「察する」が信頼につながる

今はアプリが相棒になり、地理もナビ任せでOKな時代。
でも、**「街を読む力」「人を思う心」「習慣をつくる意識」**という
“アナログな勘どころ”は、今も稼げる人たちの中に生きています。

かつてのドライバーが守っていた掟は、
テクノロジーを使いこなす今の時代にも、きっと通用する。

そう信じて、今日もハンドルを握っています。



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