タクシーあるあるこれは乗車拒否!? 理解しておくべき乗車禁止ルールとマナー

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タクシーあるあるこれは乗車拒否!? 理解しておくべき乗車禁止ルールとマナー

「手を挙げてるお客さん」をスルーしていくタクシーって...

「手を挙げてるお客さん」をスルーしていくタクシーって...
「手を挙げて待っていたのに、通り過ぎて乗車拒否された」「タクシーを使いたいけど、移動距離が短いから乗車拒否されそう」など、連日SNSなどでタクシーの乗車拒否行為への不満が投稿されています。確かに何も言われず目の前を通り過ぎ去られたら、拒否されたと感じますよね。しかしこの行為、実は乗車拒否に当たらない場合があります。ここではなぜ乗車拒否にならないのか、そもそも乗車拒否行為とはどういったものを指すのかなど、タクシーの浸透していないルールとマナーを詳しく解説します。

タクシーは正当な理由なしに乗車拒否できません!

タクシーは正当な理由なしに乗車拒否できません!
よくタクシーに「乗車拒否された」という話を耳にしますが、タクシーは正当な理由なしに乗車拒否できないと「旅客自動車運送事業運輸規則」や「道路運送法」といった法律で定められています。

これはタクシードライバーの新人研修の講習内容に必ず含まれているため、安易にドライバーが乗車拒否することは本来あり得ないのです。万一不当に乗車拒否したことが発覚すれば、営業停止や乗務員証の停止などの罰則が与えられます。

行政からドライバー本人へ罰則がなかったとしても、不当な乗車拒否は会社の不利益につながるので、会社からペナルティが与えられます。世間で考えられているより、乗車拒否は大きな問題なのです。決してドライバーの一存で行っているわけではありません。

つまり世の中で言われている乗車拒否は、ほとんどが勘違いなのです。お客さんの乗車を断れるのは、以下のようなケースと定められています。

☑︎定員オーバーになる。
☑︎コミュニケーションが図れないほど泥酔している、不潔な服装をしているなど、他のお客さんに迷惑をかけることが想定される。
☑︎遠距離移動の際に有料道路ではなく、一般道の走行を強要される。
☑︎有料道路を利用した際の通行料の支払いを拒否する。
※通行料はお客さんが負担しなければいけません。
☑︎重病者で付添人がいない。
☑︎危険物を持ち込もうとする。
☑︎法律で定められている、または新型の感染症の所見がある。

最近では新型コロナウイルスの影響により、「マスクの非着用は乗車拒否できるのか」が議論にあがっていました。マスクを着用していないというだけで、明らかな感染症の所見がなければ上記の規定に当てはまらないからです。

しかしタクシー会社は国土交通省の許可のもと定められている「運送約款」に着目し、約款の内容変更を申し出て、コロナ禍ではマスク非着用の乗車拒否を認めることが決定されました。

ただし事前にマスク非着用の理由を尋ねること、着用のお願いをすることが前提になっています。そのためマスクを着用すれば、これを理由に乗車拒否されることはなく、拒否されたときには違反行為になります。

乗車拒否の勘違い事例

乗車拒否の勘違い事例
世の中で言われる乗車拒否はほとんどが勘違いなのですが、お客さんを乗せられない状況にあるタクシーは停車しないため、「理由もわからないまま無視された」と悲しい気分になりますよね。

しかしタクシーは無視しているのではなく、停まれない事情があるのです。ここではよく乗車拒否と勘違いされる4つの事例を紹介します。


◆タクシードライバーにはテリトリーがある
タクシー会社にはそれぞれ「営業区域」が存在し、活動できるエリアが決められています。そのため遠方からのお客さんを乗せてきたタクシーは、到着した地で他のお客さんを乗せられないのです。

ただし一旦停車し、目的地を確認するケースがあります。これは「目的地が自分の活動エリアであれば、お客さんを乗せられる」というルールに当てはまるのかを確認しているからです。該当しない場合には乗車できませんが、停まってくれるだけでも親切ですよね。

遠方ではなかなか目的地が営業区域内にならないので、停車しないケースもありますが、そもそも営業してはいけない区域なので、こちらも乗車拒否には当たりません。


◆停止してはいけない「乗車禁止エリア」
タクシー業務適正化特別措置法により指定された区域では、ドライバーはお客さんを乗せる際に以下のような制限がかけられています。
☑︎客待ち禁止
停車しお客さんを待つことが禁止されている。
☑︎入構禁止
空車のタクシー乗り入れが禁止されている。
☑︎入路指定
入構の方向が指定されている。

こういった区域ではドライバーの意思に関係なく、停車できません。特に銀座など賑わった場所に設けられているルールなので、タクシー待ちをするときには禁止区域じゃないことを確認しましょう。


◆乗せられるのは「空車」「割増」のみ
タクシーのフロントには10種類の表示があり、お客さんを乗せられる表示は「空車」「割増」の2種です。割増は深夜早朝の22時~5時までの間、通常の2割増し料金がかかることを指しています。

「支払」になっているときは利用していたお客さんが、料金を支払っている最中なので、お客さんが去った後には空車になり、乗せてもらえるかもしれません。

そのほか「賃走」「貸切」「予約」「迎車」「回送」「救援」「SOS」は、利用できない状態になっています。ただし「回送」はドライバーの休憩中に使われる表示なので、運良くタイミングが合えばすぐに利用できる可能性があります。

ちなみに「SOS」はタクシードライバーが、強盗に襲われているなどピンチの状況下にあるときに使われるので、見かけたら110番通報しましょう。


◆秩序を守るのもドライバーの務め
タクシー乗り場で数人が待っているにも関わらず、少し離れたところでタクシーを止めたり、順番を守らなかったりする人がいます。こういったケースではマナーを守ってもらうため、ドライバーがタクシー乗り場へ並ぶよう促すケースがあります。

法的に定められていることではありませんが、世の中の秩序を保つルールを遵守することは暗黙の了解となっており、現場での混乱を防ぎかつ道路上での安全を守る目的があるので指示に従いましょう。

まとめ

タクシードライバーは正当な理由なく乗車拒否できないよう法律で定められており、ドライバーはそれを遵守しているため、乗車拒否だと考えらえていた行為はほとんどが勘違いです。ドライバーが拒否しているのは、車内の秩序が維持できないときや、乗車禁止区域に入っている場合でした。しかし不当な乗車拒否が100%ないとも言い切れないので、話せる状況にあれば理由を聞くとよいでしょう。ルール・マナーを守って正しくタクシーを利用し、根拠のない情報をSNSなどに投稿しないよう気を付けましょう。